団長&Suiginのゲキソウ

これは「涼宮ハルヒの激奏」のチケット入手に全力で挑んだ者達の記録である・・・




PHASE-1 「激想」
ハルヒ公式イベント開催を知ったのは今から数日前。出演陣・イベント内容の豪華さに比べて、キャパは2500人とかなりの狭き門である。
さらに今回は男性声優目当ての女性ファン(通称:腐女子)の多数参戦も十二分に考えられ、チケット入手は熾烈を極めると誰もが予想した。
こういう風に全国的に祭り状態になって盛り上がると、参加したくなるのが人情。団長と2人、協議を重ねた上、この度の激奏チケット争奪戦に参戦することが決定した。
一度やると決めたからにはとことんやるしかない。全力でチケットを確保せなきゃアカンねん。
最初は、距離的に近い俺が発売日当日の始発で単身、横浜に乗り込んで二人分ゲットし、団長は自宅PC前でネット販売分の確保に努める策であった。
でも各所から得た情報を元に戦略分析を押し進めると、“始発じゃ全く間に合わないんじゃないか”説が俺らの間で急浮上。
これにより計画は一気に下方修正。発売前日夕方からの店舗前待機に切り替わった次第である。
ちなみに季節は真冬の一月。己が命を賭した戦いになることは明らかであった―。




PHASE-2 「激争」
時刻は1月19日午後4時。横浜に到着。店の前に行くと既に待ち人たちの列が出来ていた。でもこれは予想内。100人くらいいたらどうしようかと過度に心配してたけど10人もいなかった。
アニメイト店頭には、徹夜組の士気を向上させるためかこんな張り紙が。
店頭案内
最後尾についたところで、遂に18時間に渡るチケット攻防戦の幕が切って落とされたのだ。
でもこの戦い、初っ端から躓くことに。防寒対策に穴が見られた。地べたに敷くシートが無いのはきつい。椅子にずっと座ってると尻痛いし。
それに今は大丈夫だけど、夜中は羽織る毛布とかタオルケットが無いと命に関わってくるだろう。
これでは仕方ないので団長に残ってもらい、俺が買物へ。横浜は半分地元なのでその勝手は知ったるもの。西口のハンズでレジャーシート買う。
銀色の耐熱性シートが欲しかったけど無かったので断念。ガムテとタオルケットも欲しかったけど、探すの面倒になったのでこれだけ買って帰った。
本陣に帰還したら団長は前に並んでいた二人組みと話していた。なんでもその二人組みは高校生で学校休んで今朝の6時から並んでいるらしい。若さ故の冒険でしょでしょ。
そうなるとその二人組みの前に並んでらっしゃる方々は何時から居るのかという素直な疑問に駆られる。詳しくは分からなかったが、既に一泊されてるらしいとか。誠に天晴れである。
団長が『電撃萌王』読んだり、俺が『ネギま!』17巻を買いに行ったりして、暫く2人でまたーりしていると、日高良司が遊びに来てくれた。
彼は団長の元クラスメイトでしばしば「団長ISM」にも登場してる。俺とは初対面だったが、共通のバックボーンを持ってるので一秒で打ち解ける。
このまま3人で待って居たかったけど、俺はこの日バイトがあったので一時撤退。終電に乗っての再登場を誓って帰宅。後は預けた。
でもって21:00〜24:00までアルバイト。ホントは25時までだけど、相方のホリィに無茶を通してもらって先にあがらせてもらった。彼には後日ケーキと紅茶を奢ろうと思う。
社員にはめっちゃ元気な顔で「具合悪くなったので帰ります!」と一言だけ言って逃げてきた。将来的に具合悪くなるので嘘ではないと思う。
事前にスタッフルームに用意してたタオルやらホッカイロやらが詰まったバッグと毛布の入ったビニル袋を手に、駅に向かってチャリを飛ばす。これは激走。
終電には余裕で間に合い、団長とメール。
「現場の団長さん!そちらの様子はどのようになってますでしょうか?」
「こちら現場の団長です!気温は体感ですが氷点下に近いと思われます!しかし現場のファンたちの熱気は凄いものがありますね!中にはパソコンでアニメを見てるヲタもいます。マリみてを見てる様ですね!」
よかった。まだ死傷者は出てないらしい。
支援物資を手に、再び戦地に舞い戻ってみると徹夜組の列がかなり伸びていた。その数は100人を大きく上回っていたと思われる。
これは始発では絶対に間に合わなかったな。作戦変更して成功。
団長と再会し、これから始まる長い夜を前に気合を入れる。なんでも、日高良司は午後10時までいてくれたらしい。ありがとう。今度うちのブログにも遊びに来てくれ。
さて、何度も言うけど零時を回ったこれからが本番。整理券を手にするのが早いか、救急車で運ばれるのが早いか。全てはGod knows...




PHASE-3 「激葬」
始めはやけにテンションが高かった。何かよく分からないけど、初めての徹夜待機に胸がワクテカしていた。さっき言った高校生コンビや、俺らのすぐ後ろに並んでる人と他愛もない会話をして楽しんでいた。
1:55になると、団長のワンセグケータイで「コードギアス」を視聴。不思議とアニメ見ている間は寒さを全く感じない。嗚呼、なんて便利な身体。
でも金曜深夜のアニメってこれしかないのよね。木曜はtvk合わせると5本くらいあるのに。だからこの30分が過ぎた後はどうしたものかと。時刻はまだ2時半。チケット販売まで後7時間半・・・
暇なのでhjryに電話してみた。オヤスミ中だったらしく10回以上コールしてやっと出た。
寝てたhjryと寝たら死ね俺ら、なんとも面白い対比構造ですね。とりあえずストーブ持って来いと懇願したがスルーされた。
それからは持参したチョコレート食べたり、コンビニに避難したりして時を過ごす。でもなかなか時間が過ぎない。
ゲームやらマンガやらの暇潰しグッズは持ってきたけど、やる気が全く起きない。どうやら脳みその機能低下してるみたいだ。
ところでさっきからものすごい勢いで体温奪われていくんだが。このアスファルトという物の放熱作用を舐めていたようだ。今ではこのアスファルト最終決戦兵器にすら思える。
行楽用なレジャーシートは現代兵器の前には無力であった。この低クオリティな防寒対策には反省しなくてはいけない。
先頭に居る人たちは全員寝袋に入って寝ている。この中に女性(結構美人)が居るのが信じられない。信じたくない。
路上生活
注:ホームレスではありません。
不覚にも横になってしまったせいで余計にアスファルトから受けるダメージアップ。寝る気はないけど無意識の内に横になってしまうんですよ。冷えすぎて逆に眠れないけど。
ホームレスたちは冬は毎日こんな夜を過ごしているのかと思うと尊敬したくなってきた。やっぱダンボール無しでは生きていけない。
ダンボールといえばソリッド・スネークだが、スレは各地のスネーク達からの報告で持ちきりだった。スネーク大杉だろ、常識的に考えて。
既に大宮と渋谷は徹夜組が増えすぎたせいで、チケット販売が抽選形式に変更され、列は強制解散させられたらしい。町田は目下検討中で、吉祥寺は不明。
ここ横浜はというと、スタッフからの連絡は何も無いままアニメイトは閉店。よってこのまま先着順になることが濃厚。
そう、横浜は勝組だった。
全五箇所あるチケット先行販売店舗の内のどこに並ぶかというのも戦略上の極めて重要な一手であり、勝敗にも大きく作用する。
すぐ後ろに並んでいた人は今までの経験と諜報活動を基に、必死で考え抜いた末に横浜店を選んだらしい。ちなみにその人は山梨から来てた
チケット獲得を優位に進められることだけが、低下していく体温に耐えうる精神力を与えてくれた。これは消耗戦以外の何物でもない。意識はとっくに朦朧としている。
ママ、さっきから鼻水が止まらないよ。




PHASE-4 「激蒼」
夜明け前の瑠璃色
夜明けが訪れた。待ち望んでいた夜明けが。
(脳内BGM 「Lapis Lazuli / 星怜」)
やっぱ人間は青空の下で生きないと駄目だよね。この“蒼”は今まで見てきたどんな色よりも鮮やかに見えた。
辺りが明るくなってきたことで徹夜組のみんなの表情にも生気が戻ってきた。でも気温は上がってるようには思えなかった。むしろ夜中よりも寒くなっている気がするのは気のせい?
残念ながら気のせいじゃなかった。夜明けから程なくして恐るべき事態がやってきた。






分かり辛いけど降雪中
初雪だ〜って楽しめるレベルじゃねぇぞ。どうやら神様の中の人は俺らを殺したいらしい。
なんか去年の同じ頃に同じように雪の被害に遭った筈なんですけど、二年連続ですか?徹夜で弱った身体にこの試練は余りにも酷じゃないでしょうか。
それとも長門有希然り、この雪に自らの存在をトレースしろと?
並び出してから16時間、私はずっとこうやって過ごしてきた (「雪、無音、路上にて」より)
緩やかに降る 水じゃなくて もっと淋しい粒の祝福を受けていると、遂にアニメイト店員登場。一瞬、天からの御使いに見えた。朝早くから本当にご苦労である。
今日は皆川純子さんのライブだかイベントのチケットも発売するようで、そっちが目的だった人は別の場所に誘導され始めた。やっぱ同姓人気高い。
その間に俺らは身辺整理開始。今まで世話になった大切な「相棒」である毛布とタオルを片付け、食い物とかのゴミは綺麗に処分。
辺りを汚いままにしてると評判下がって徹夜待機が出来なくなるので懇切丁寧に。
さて、そろそろこの戦いにも終わりが来る。明けない夜は、ない




FINAL PHASE 「激奏」
1月20日午前9時。さっきの御使い、もとい店員が手に整理券を持って再登場。この整理券,というか購入券を持ってる数だけチケットが買えるので、お1人様2枚までの配布になる。みんな2枚貰うことは言うまでもない。
そして俺の番。寒いので顔面にマフラー巻いてるから、上手く喋れないのでVサインを繰り出し2枚ゲット。
購入券×2
長かった・・・。本当に長かった・・・。ネタ作りの軽い気持ちで参加したことを後悔する時もあったけど、結果的に大勝利な訳なんだからいいじゃないかっ。
その購入券の配布はあっという間に終了。俺らが並んでいる位置から見える所で配り終わったのは驚いた。数えた人曰く、貰えたのは54人らしい。
ということは横浜店でのチケット先行販売分は多分100枚。この数字が事前に分かってなかったから余計に大変だった。枚数が明らかにされていたら、戦況は大きく変わっていたと思う。
ちなみにSuiginと団長は10/54にしっかり入ってた。前の人から良席が買える仕組みなので、早くから並んでたメリットは大いにあるのですよ。
さて、午前10時の購入開始までの1時間は暖かい所で待とうと思ったら、整理番号書いてないジャマイカ
よって引き続き同じ場所での待機決定。なんて鬼畜な放置プレイだ。




AFTER PHASE 「激聡」
団長を始めとし、今まで一緒に並んできた方々と握手を交わし、ミッションコンプリート。戦士達はそれぞれの日常へと還っていく。
チケット買うのに何そこまで必死になってんだと思うでしょ?
うん、俺も思った
今後は本当によっぽどのことがない限り、冬場の徹夜待ちはしません。つかお断り。もうイヤ。夏なら全然余裕だからやることもあるだろうけど。
でも今回の経験値は膨大だった。コミケサークル参加よりもずっとデカイ。
社会生活から離れると今まで見えなかったものが見えてくると言うけれど、あれは正しいかもしれない。ちょっと聡明になった気分。
チケット買うこと一つにして、ここまで色々学ばされるとはね。とりあえず布団最高、家屋最高。文明は偉大なり。
チケット実物
団長から聞いたが、ヤフオクでは7列中央席が6万超えの高値で落とされていた。相変わらず想像を超える世界だな、あそこは。
さて、10列はいくらで売れるかな(じゅるっ